「次世代育成」はどのような職業分野においても、日本全国どのまちで暮らしていても「大切なテーマ」です。
しかし企業や行政にとって、具体的な取り組みの「創造」や「参画」となると、まだまだ優先順位は低いように感じます。

専門的な「知識」や「情報」を学ぶ短期間の研修は受講者の達成感を含めて、確かにある一定の効果は出ます。
しかし「次世代育成」となると、「多世代・異分野が学び続ける風土の醸成」につなげることが重要になるため、一筋縄ではいきません。

御祓川の大祓いでは、川から海、海から風、風から大地へと「事」を運び、人々の罪を浄化しました。
自身の役割を果たしながら、他者に「託す」イメージが広がります。
任されるから応えようとする。自己完結してしまうと、そこで滞ってしまうかもしれない。
「託す」は、次世代育成にも、地域資源の循環にも、欠かせない意識だと思います。

「能登留学」をしたインターン生がこれまでに取り組んだプロジェクトもいくつかご紹介いただきました。

和ろうそくやさんの海外展開へのお手伝い。
地元ホテルの舵取りを任された若き経営者の右腕などなど。
実はどのプロジェクトも、主体となっているのは「学生」ではなく、「地元の企業」であることに改めて気づかされます。

インターンシップに参加した若者が、「特別な時間を過ごした場所」を時々思い出してくれる、「何か」の折に訪ねてくれる、情報を運んでくれる、今日も日本のどこかで、世界のどこかで、がんばっているだろうと想像できることは、もちろん地域の力になります。
しかし、「学生にとってより良い学びの環境を」意識するのは当たり前のことで、本質的な主体者は、あくまでもプロジェクトの成功を目指す事業者であるということです。

ここ銚子での実践も、銚子ならでは&今だから&銚子円卓会議がコーディネートするからこそのプロジェクトを一つひとつと重ねていくことで、必ず学生にとって、企業にとって、そして地域にとっても良し!といえる「三方よし」の事業になっていくと信じたいと思います。

先をいく七尾の、発展的なお話としては、女性誌『anan』にも紹介されたばかりの「赤なまこ石鹸」のプロジェクトが興味深かったです。

(能登の赤なまこ石けん能登スタイル
地元企業さんから製品化を相談された(株)御祓川が製品化までをハンズオン支援し、出来上がった製品を、(株)御祓川が運営する「能登スタイル」で販売する地域内資源循環の好事例です。
特長的で良質の製品である証拠に、どんどんと全国的な広がりを見せています。

有名企業等からも研修企画依頼を受け、コーディネート業務をされている七尾の現状は、銚子円卓会議にとってまだまだ眩しいものです。
それでも、多様な主体の協議体がチーム力を活かし銚子ならではのプログラム開発に取り組み、企業と学生インターンが本気のプロジェクトにチャレンジする姿を想像すると背筋がピンと伸びて、さ!一緒に進むぞ!という気持ちになります。

講演の後は、NPO法人ETIC ローカルイノベーション事業部 伊藤マネージャーのファシリテートで、2チームに分かれ「プログラム開発」に取り組みました。

(つづく)

【事務局_B】