ハロー、やかです。
更新が大変ご無沙汰してしまいました。

脱サラ漁師となった夫。12月から4月の漁期を無事に終えることができました。
我が家も、気がつけば銚子に移住して早くも半年。振り返ってみると、漁期間は夫の慣れない漁師生活が続いて、毎日に必死だったんだなと痛感します。

ゴールデンウィークは横浜の実家へ帰省するため、久しぶりに家族旅行をしてきました。大型連休の街は徐々に日常を取り戻しつつあったように感じます。

一方、帰省してから考えることが多くなりました。今後は銚子と横浜の二拠点生活になりそうですが、地方と都会を行き来する中で感じたことがありました。

【目次】
▼都市は作られ過ぎて抽象化している
▼地方はシンプルで「分かりやすい」
▼二拠点で見えた地方と都市
▼地方でもアートに触れる機会を

▼都市は作られ過ぎて抽象化している

今回の帰省の大きな目的は、ライブを観に行くということでした。

私は心底、横浜という都市が好きなのですが、今回は特に交通の便を考えると「何でわざわざ移住したんだ…」と思ってしまうくらい便利な環境でした。

 

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実家は桜木町や横浜まで電車で10分強と非常に好立地なこともあり、昔からみなとみらいを散策することが私の気晴らしになっていました。
今回は息子と夫と臨港パークを散歩して、銚子の荒々しい海とは異なる、優雅な東京湾を眺めてきました。

みなとみらい地区には多くのアートモニュメントがあります。
横浜は貿易港なので、世界各国との貿易の証に作られた作品や、開港時のエピソードに基づいた作品などが街のあらゆる場所に設置されています。

臨港パークのモニュメント。子どもたちには大人気。

一見すると、何かよくわからない。

息子からも「なにこれ?」と聞かれるけれど、大人でもよく分からない。

でも、何となく風や波を表現しているように見えたり、よく見ると果物がモチーフに使われていたりする。
想像力を掻き立て、思考停止した大人の脳みそを柔らかくしてくれているような気がします

臨港パークの銅像とモニュメント。

いわゆるパブリックアートというものなのだと思いますが、私は愉快に感じていました。子どもの頃から「よく分からない」これらの物質を鑑賞して、ただ帰るだけの散歩コースが楽しみでした。

▼地方はシンプルで「分かりやすい」

そういう意味で銚子には「よく分からない」物質は、あまり存在しません。

駅前には千葉のマスコットキャラクター・チーバくんがサイクリングをしている像があったり、ゲーム「桃太郎電鉄」の貧乏神・ビンちゃんが所々に置かれていたりしています。どれもモチーフが分かりやすいものです。

駅前の桃太郎電鉄・貧乏神。銚子市内のあちらこちらにある。

貧乏神は桃鉄の駅すべてにあるのだろうか…これだけは謎。

日本初の修学旅行到達の地の石碑。

記念碑や銅像も、誰が何をしたのかを示していて、きちんと説明書きもある。親切だなぁと感じます。

一応、横浜にもこうした歴史的な文化財の石碑は至る所にあって、説明書きもあります。江戸時代の開港後に輸入された食や文化を「横浜はじめて物語」と呼んでいます。

犬吠埼灯台の真裏は、荒々しい岩場になっている。

しかし、アーティストによる作品をわざわざ作らなくても、銚子には犬岩や屏風ヶ浦といった、自然が作り出した絶景が地球史レベルで存在しているんだと思いました。

自然そのものが街になっているからこそ、アートという人間の産物は敵わないのかもしれません。

 

▼二拠点で見えた地方と都市

今回の帰省を通じて、都市というのはあまりに考えて作られ過ぎているように感じました。

計算され、意味付けをし、理屈によって作られている。人の思考に当てられてしまって、なんだか少し疲れる。
地方はシンプルだから、考えるより感じてることが多いのかもしれません。

臨港パークは開放的だが、埋立地に作られた計画都市でもある。

一方で、ぬるま湯にどっぷり浸かってたことにも気づきました。

銚子での移住生活はシンプル過ぎて、居心地の良い場所ばかり。人間は心地の良い場所を求めてしまいますが、その分どうしても思考停止してしまう気がするのです。

しかし、自然の中にいると本能に従って体が動いていると実感できます。

不耕作の田んぼを再生する、ちょうしのたからプロジェクトで田植え。

銚子円卓会議『この指止まれ!プロジェクト』の一つである「ちょうしのたからプロジェクト」では、耕作放棄地となった兄弟谷津の環境を子ども達に残すため、環境保全活動と復田した田んぼで有機農法で米作りをしています。

今回、ご縁あって我が家も田植えにチャレンジすることに。先日、手作業で開墾から行うという貴重な体験をさせていただきました。今週いよいよ苗を植えます。

新緑に囲まれて過ごしている時間は、自然と自分と一対一になれます。芸術や音楽を鑑賞している時も、自己とアートと対峙する時間です。

どちらも、なくてはならない存在だと痛感します。

▼地方でもアートに触れる機会を

隣の旭市ではあさげー『あさひの芸術祭2023』という、市内外のアーティストの作品を展示するイベントが4月からGWまで行われていました。

写実的なものから抽象的なものまで展示されていましたが、よーく見ると画材や細かい仕掛けを発見できます。

旭市のおひさまテラスに展示された作品。段ボールを画材にして描かれている。

意外にも2歳の息子が真剣に観ていて、「絵は好き?」と尋ねると「うん」と言って無言で作品を見つめていました。
美術鑑賞や音楽鑑賞、読書などの文化に触れる大切さを感じます。

銚子にもAndecianという民間の画廊があります。移住直後の11月、銚子在住の染物工芸作家・稲森 由夏さんの展示会に足を運んだことがありました。

 

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市営では「銚子市ジオパーク・芸術センター」もあるので、今度お邪魔したいです。ジオパークミュージアムも併設されているとのことで、人と自然がそれぞれ創り出した作品に触れたいと思います。

個人的には、二拠点生活に近しい過ごし方をしたことで、新しい街の見方が出来たGWでした。

 

やか/イノウエアヤカ

1992年生まれ。横浜出身・銚子在住。
2011年、大学入学時にロックバンド・phonegazer(フォンゲイザー)を結成。ボーカルとして作詞・作曲を担う。同年、音楽ライターとしてフリーで活動開始。2015年にライブハウスシーン情報サイト・OTOZINEを創設、編集長を務める。2016年のバンド解散後、広告制作プロダクション、業界新聞、地方公務員へと転職し、クリエイティブと地域活性化の関わりに関心を持つ。
結婚、出産、実母の急逝、心身の不調などが続き、2022年10月、千葉県銚子市へ移住を決意。現在、脱サラ漁師の夫と長男の3人で、スローライフを大切に人生をリスタートしている。